3歳児の育児にも使える?!
2024年07月14日 00:30
今日は、長年このワークを実践されている生徒さんとの、先日のレッスンの様子を振り返ってみたいと思います。
この生徒さんは、かれこれ8年ほど、このワークを実践し続けていて、最近は、3歳になる息子さんの子育てに追われる毎日を過ごされています。
お子さんも小さいので、自分時間を確保するのも至難の業。個人レッスンの時は、ご家族の予定も確認しないといけないので、なかなか気軽にはお会いできません。
数ヶ月に1度お会いすると、息子さんはその間もどんどんと成長しているので、その時々でお悩みの種類や質も変わってきます。
2歳の頃は、「イヤイヤ期が始まりました〜。」ということだったのが、今回は「先生、魔の2歳児、悪魔の3歳児って先生がおっしゃってた意味がわかってきましたよ!」と大笑い。
なんでも、ちょっと危険なイタズラをするので、「危ないからやめてね」と注意してみるものの、息子さんはその直後に、(多分)わざと、また同じことを繰り返すそうで。頭ごなしに怒ってはいけないと思いつつ、ついつい強く言ってしまいそうになることも、しばしばとか。
私も、はるか昔にはなりましたが、男子二人を育てた経験もあり、子供の成長の時期的なものや、母親の疲労の積み重なりはとても良く分かります。
特に、子供の身の危険に関わることは、子供を守らなければいけないという使命感もあり、ついつい、瞬時に反射的、自動的、習慣的に反応してしまいがちです。
このワークでは、こういう時も、しっかり自分の伝えたい事は伝えながらも、それでも習慣的に反応する前に「間」を取って、少しでも客観的に子供と関わっていけないか?と考えていきます。
そこで、その状況を想像して、「アクティビティーワーク」をやってみます。
今回は、3歳の息子さんが、
「注意された直後にわざと何かを揺らし始めたところで、注意をする」
という設定にしました。
まずは、私が息子さんの役をやってみました。実際には物を揺らせないので、私が手に持ったハンカチが揺れ始めたら、お母さんが注意をするという設定。
揺らし始めた途端、
「やめてっ!揺らさないでっ!」
という、お母さんの厳しい声が響きました。
そして次に、ハンカチが揺れ始めたタイミングで、すぐに注意をするのではなく、一瞬だけでも止まって間を置き、このワークで使う「建設的思考」というものをしてから、注意をしてもらいました。
ちょっと正確には、言ったセリフまでは覚えていませんが、今度は、
「揺らさないよ。危ないよ。」
と言うようなニュアンスの言葉が、生徒さん(お母さん)の口から出ました。
あまりに、その二つのバージョンの雰囲気が違ったので、思わず二人で笑ってしまうくらいでした。
私が感じたのは、1回目の、「何も挟まず」に、そのまま注意した時は、「何やってんのっ!」という、行為に対する「非難の質」や、「怒りの質」がより前面に出ていたことでした。
そして、2回目の、「一回止まってから注意」のバージョンは、ちゃんと厳しく注意を伝えられてはいるけれど、
「それを揺らして落ちてきたら、あなたが怪我するから、危ないよ。お母さんはあなたが大切だから、怪我をして欲しくないよ。」
という、息子さんを思う気持ちがより前面に出てきていました。
もう、それはそれは、その質の違いが、瞬時に伝わるような印象でした。
習慣を挟まないようにすると、こんなに質が変わるのかと、レッスンしながらも、改めて驚く展開となりました。そして、そうやって伝えられた「注意」は、息子さんにどのように異なって響くのかは、想像に難くないですね。
やはり、「止まる」という技、奥が深いです。